トップ:http://galaxy.u-aizu.ac.jp/note/wiki/CAEX2015 = 準備 = 今週から、MIPSプロセッサを設計します。 そのために、VerilogHDLを用いた記述方法、シミュレータ、波形ビューアなどの各種CADツールの使いかたを習得します。 == シミュレーションのためのログイン == {{{ ssh -X hdw1dc }}} simvisionのウインドウが開かない場合には、 {{{ /bin/ssh -X hdw1dc }}} でログインすること。 hostnameは各自の目の前の計算機にすること。 = ALUモジュールの設計と検証 = 算術論理演算ユニット(arithmetic logic unit, ALU)は、加算や減算などの算術演算や、 ANDやORなどの論理演算を行うプロセッサの中枢部分です。 今週はMIPSプロセッサで使われる32ビットのALUを作成し、 さらにシミュレーションによって動作検証をします。 今回設計するALUの入出力信号は次の図の通りです。 AとBは入力でどちらも32ビット幅です。 ALU制御入力(ALUoperation)は4ビット幅の入力で、演算の種類を指定します。 演算結果(ALUresult)も32ビットで出力されます。 ゼロ判定出力(Zero)は演算結果が32ビットとも0であるときに1となる信号です。 [[Image(http://galaxy.u-aizu.ac.jp/comparch2014/alu.gif)]] このALUでは下に示す6種類の演算をサポートします。第4版上巻p.290参照。 || ALU制御入力 || 機能 || || 0b0000 || AND || || 0b0001 || OR || || 0b0010 || 加算 || || 0b0110 || 減算 || || 0b0111 || Set on less than || || 0b1100 || NOR || ANDは2つの入力の各ビットの論理積、ORは論理和を実行することを意味します。 Set on less than は比較命令で利用される演算で、2つの入力の大小関係によって 0 または 1 を次の表のように出力します。 || || ALUの出力 || || A < B || 0x00000001 || || A ≧ B || 0x00000000 || 今回作成するプロセッサでは、加算、減算実行時にはオーバフローは想定しません。 オーバフローが発生した場合でも、下位のbitは正しい値が出力されるように設計します。 == ALUモジュールの作成 == ALUは3つの入力A,B,ALUoperation、2つの出力ALUresultとZeroをもちます。 以下は、ALUモジュールのVerilog HDL記述です。 {{{ module ALU(A,B,ALUoperation,ALUresult,Zero); input [31:0] A; input [31:0] B; input [3:0] ALUoperation; output [31:0] ALUresult; output Zero; reg [31:0] ALUresult; wire [32:0] tmp; // Output Zero is defined by assign statement assign Zero = (ALUresult == 0)? 1'b1 : 1'b0; // tmp is the result of A - B, in 33bit assign tmp = {A[31], A} - {B[31], B}; // Output ALUresult is defined by always statement always @(A or B or ALUoperation or tmp) begin case( ALUoperation ) 4'b0000 : ALUresult <= A & B; 4'b0001 : ALUresult <= A | B; 4'b0010 : ALUresult <= A + B; 4'b0110 : ALUresult <= A - B; 4'b0111 : ALUresult <= {31'b0, tmp[32]}; 4'b1100 : ALUresult <= (~A) & (~B); default : ALUresult <= 32'b0; endcase end endmodule }}} 上記の記述をファイル名「ALU.v」として保存します。 以下の演習では、ファイル名は「(モジュール名).v」としてください。 また、1つのファイルには1つのモジュールを定義します。 VerilogHDLの記述方法は、参考図書を参考にしてください。 この記述では、抽象度の高いBehaviorレベルでの設計が行われています。 このALU記述では、assign文とalways文を用いています。 両方をalways文で設計することもできます. 加減算、大小比較は、VerilogHDLの算術演算を用いて実現しています。 加減算における入力AとBは2の補数で表された符号付き32bitデータです。 下位31ビットが数をあらわし、最上位ビットが符号を表します。 減算は、減数の2の補数を求めてから加算ししています。 == テストベンチの作成 == 作成したALUが正しく動作するかどうかシミュレーションによって確認します。 すべての入力値の組み合わせについてチェックするのは 不可能ですから(非常に時間がかかる)、 下の表に示されている入力の組み合わせについてシミュレーションを行い、出力が期待値と一致することを確認します。 まず、テストパターンをシミュレーションするためのテストベンチのテンプレートを示します。 {{{ `timescale 1ns/1ps `include "ALU.v" // Include statement of ALU module module ALUtestbench; // testbench module ALUtestbench do not have inputs and output reg [31:0] inA; reg [31:0] inB; reg [3:0] inALUop; wire [31:0] outALUresult; wire outZero; ALU alu(inA,inB,inALUop,outALUresult,outZero); // Instance definition initial begin $dumpfile("ALUtestbench.vcd"); //Function call for the save of execution results as VCD format to $dumpvars(0, alu); //Function call to specify the top module #0 inALUop = 4'b0000; inA= 32'h00000000; inB = 32'h00000000; //Setting of inputs #100 //Time passes. ALU operates for inputs. $display( $time, " ALUoperation=%h, A=%h, B=%h, ALUresult=%h, Zero=%h",inALUop,inA,inB,outALUresult,outZero); // Display of inputs and outputs inALUop = 4'b0000; inA= 32'h0F0F0F0F; inB = 32'hF0F0F0F0; #100 $display( $time, " ALUoperation=%h, A=%h, B=%h, ALUresult=%h, Zero=%h",inALUop,inA,inB,outALUresult,outZero); .... // In this space, describe other testbench descriptions .... inALUop = 4'b0000; inA= 32'h00000000; inB = 32'h00000000; // dummy input $finish; end endmodule }}} このテストベンチ記述を完成させます。ファイル名は「ALUtestbench.v」とします。 このテストベンチを実行すると、$DISPLAY文により結果がテキスト形式で表示され、 同時に$dumpfileと$dumpvars文によりVCD形式でファイル「ALUtestbench.vcd」に保存されます。 == テストベンチの実行 == シミュレータは「nverilog」コマンドを使います。 {{{ ncverilog ALUtestbench.v }}} というコマンドで、テストベンチを実行することができます。 最初に文法チェックが行われるので,そこでエラーが発生したら、ファイルを修正してください。 エラーがなくなったら、テストベンチが実行されます。 $display文による実行結果を確認してください。 実行途中の全ての信号の状態は「ALUtestbench.vcd」に保存されます。 波形ビューアsimvisionを用いて実行結果を確認します。 simvision起動後、File -> Open Database で、シミュレーションで作成したVCDファイル「ALUtestbench.vcd」を選択します。 ファイルの種類をVCD Fileにして、ファイルを選択すること。 これ以降は、今までCadenceの統合環境icdsでの作業と同じです。 確認したい信号名を選んで、右上の波形マークをクリックして、波形を確認します。